朝は、どうしてもドタバタと時間に追われてしまいます。
ギリギリまで寝ているのが悪いのですが、まだ、余裕をもって早起きできる自分にはなれていません。起きると同時に朝食を作り、夫のお弁当を詰め、子どもの髪をセットして、着替えさせて、洗濯機を回す。そこまで終えて、やっと自分の身支度。一杯の飲み物を流し込んだら、保育園へ出発です。
帰宅すれば、片付けと掃除。ようやく自分の朝ごはん、と思ったころには、息をつく間もなく朝の2時間が過ぎています。
しんどいな、と思う日もあります。
そんな毎日の中で、月に一度くらいの「モーニング」が、わたしのささやかなご褒美です。朝の任務をぜんぶ完了させたあと、好きなお店のモーニングに滑り込んで、ひとりの時間を過ごす。贅沢な選択だとは思います。それでもこれは、わたしなりの息抜きで、「また頑張ろう」と思えるための充電時間なのです。
この日わたしが選んだのは、珈琲館のモーニングでした。
珈琲館ってどんな喫茶店?
珈琲館は、1970年に東京・神田神保町で生まれた喫茶店です。個人経営の喫茶店が主流だった時代に、喫茶店チェーンの先駆けとしてスタートしたお店で、いまも全国に店舗があります。
わたしが珈琲館を好きなのは、セルフサービスではなく、席まで運んでくれるフルサービスであること。そして、いつ行っても落ち着いた空気が流れていることです。
コーヒーはもちろん、紅茶やソーダ、サンドイッチやトラディショナルなホットケーキなどメニューの幅がとても広いのも特徴です。
珈琲館のモーニングで頼んだ「4種チーズのツナトーストサンド」
この日のお目当ては、「4種チーズのツナトーストサンド」。

ツナマヨと玉ねぎを、とろけた4種類のチーズでとじこめたトーストサンドです。サラダも付いて、見た目からして朝からずいぶん贅沢。ツナのうまみとマヨネーズのコクに、チーズが重なって、栄養も満点です。セットで頼んだのは「珈琲館ブレンド」。苦味と酸味のバランスが取れたコクのあるコーヒーです。濃厚なチーズと酸味の効いたツナマヨのトーストとよく合います。
そして、いちばん心を動かされたのは、味そのものよりも「程よく温かい」ことでした。
忙しい朝に、冷たいものをかき込むのではなく、温かいものをゆっくり食べられる。それだけで、その日の輪郭が少しやわらかくなる気がします。この「温度」は、メニュー表には決して載らない部分です。
珈琲館の朝の空気と、そつのないサービス
店内を見渡すと、お客さんの多くは男性の一人客でした。年齢層は高めで、ビジネスマンらしい人やお年寄りが半分ほど。パソコンを開いて仕事をしている人、出勤や通学の前に立ち寄ったらしい人。それぞれが、それぞれの朝を静かに過ごしています。以前訪れたカフェコロラドとも、少し似た客層でした。
11時が近づくと、今度は女性のお客さんも増えて、店内は少しずつ賑やかに。友達とおしゃべりする時間、ひとりで黙々と仕事や勉強に向かう時間。思い思いの時間が流れています。普段は家の中にいることが多い分、人の気配や会話を聞きながら過ごす時間は、わたしにとって新鮮で、少し刺激的でもあります。
その心地よさは、店員さんの動きにも表れていました。いつ来てもそつがなく、テキパキと働いていて、見ていて気持ちがいい。席まで運んでくれる安心感と、過剰でない距離感。この「ちょうどよさ」もまた、珈琲館の朝の一部だと思います。
あえてモーニングに行く価値
850円は、朝食としては安くありません。同じお金でおにぎりなら何個か買えるし、家でパンを焼けば、もっと安く済みます。それでも時々は行きたい、と思うのです。
程よく温かいサンドと、静かな店内と、そつのないサービス。この時間ぜんぶで850円だと考えると、これはむしろ「時間を買う」感覚に近いのかもしれません。
次のモーニングはどこに行こうかな。
そんなことを楽しみに、慌ただしい日々を過ごしていきます。
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